いつも食覧ありがとうございます!
COOK LOOKスタッフです!
今回ご紹介するのは、昭和44年創業の『丸善』さんです。
JR中央線の武蔵境駅から徒歩約15分ほどの立地。
亜細亜大学の近くということもあり、創業以来 “第二の学食” として学生や地元の方に愛されてきました。
現在は創業者のご夫婦と、お店を継ぐために脱サラしたというお孫さんの三人で切り盛りをしています。
お孫さんがお店を継ぐことを決めた背景や、大人気の看板メニュー “みそチャーハン” の秘密、愛され続ける理由をご紹介できればと思います!
ぜひ最後までご覧ください。
▼朝の仕込みや、営業に密着した動画はコチラ▼
https://www.youtube.com/watch?v=PNyMVWEVZAg&t=399s
Index
丸善さんの創業者は、現在の店主である文雄さんと敏子さんご夫婦。
店主の文雄さんは、お店を始める前はサラリーマンをやっていたそうです。
「サラリーマンが性に合わなかった。」と語る文雄さん。
独立して事業を始めるには、飲食店が都合が良かったんだとか。
それでも、50年以上お店を続けることは簡単ではないです。
店主さんの苦労や努力の賜物なんでしょうね。
現在78歳の文雄さんですが、実は2022年頃にお店をたたみ、ゆっくりと余生を過ごすつもりだったそうです。
「大学時代までは空手をやっていた」という優志さんは今年29歳。
インターハイに出場するほどの腕前だったそうです。
ですが大学3年生の時に、膝に癌が出来ていることが発覚。闘病生活に移ります。
「脚がなくなることも覚悟していた。」そうですが、ご家族や、現在の奥様の看病もあり、1年ほどで回復。
「腕のいいお医者さんと、周りの人達のおかげで人工関節にすることで済んだ。」と語っていました。
大学まで出させてもらった親への感謝もあり、卒業後は食品メーカーに就職しました。
ですが、小さい頃から鍋を振るおじいちゃんの姿を見てきた優志さん。
いつも心の中には「いつか、自分がおじいちゃんの店を継ぎたい。」という想いがあったそうです。
「歳をとってきたおじいちゃんが、いつ引退してしまうかわからない…」
一念発起した優志さんは3年務めた会社を辞め、文雄さんに直談判。
飲食業の苦労を知っている文雄さん。元々は孫に苦労をかけさせたくないと、お店を継ぐことに反対していたそうです。
ですが、優志さんの覚悟を知り承諾。
現在の三人体制での営業スタイルとなりました。
油そば発祥の地と言われる武蔵野市(諸説あります)。
「いつから始めたかわからない。」と話す文雄さんですが、今も昔も変わらぬ、お店の看板メニューです。
手作りにこだわったチャーシューやメンマ等の具材に、特注の麺。
少し濃い目の味付けに箸が止まりません。
女性のお客さんも、「頼むのは大体油そば。」と話してくれました!
あまり聞き馴染みのない味噌チャーハン。
特製の合わせ味噌を使ったチャーハンなんですが、これがまた絶品。
パラパラともしっとりとも言えない、絶妙なチャーハンを口に運ぶと、口いっぱいに広がる味噌のコクと香り。
ちょうどいい甘じょっぱさが病みつきになります。
「学生達が家で作ろうとするらしいんだよ。出来るわけないじゃんねぇ。できたら廃業だよ。」
そう語る文雄さん。
それでもチャレンジしたくなる気持ち…よくわかります。
お店の名物であるこのセット。
なんとこれが1000円で頼めます!
始めた頃から値段が変わっていないというから驚きです。
食品の値段が高騰しているこの時代に、なんという企業努力でしょうか…
頭が上がりません。
学生のお客さん達に話を聞くと、
「毎日のようにここのセットを食べる。」
「来たら必ずセット。」
「セット以外頼んだことがない。」
と口を揃えます。
食べ盛りの学生さん達にとって、丸善さんのセットは “おふくろの味” ならぬ “おやじの味” になっているようです。
1000円でこのセットが食べれるなら、毎日でも来たいですね!
月に一回ほどまとめて仕込むという、特製の合わせ味噌ですが、この日は運よく仕込みを見せていただきました!
人参やニンニクなどの野菜をミキサーにかけ、酒や味醂を足した味噌に合わせて煮詰めること約2時間。
特製味噌の完成です。
なんと10種類以上もの調味料が入っているんだとか。
ご飯に乗せるだけでもうまそう…
さらに驚いたのは、煮詰める間、焦げないように練り続ける優志さん。
「美味しさの秘密は、こういった丁寧な仕込みにあるんだな。」
と、ひしひしと感じました。
これは真似できませんね…
お店を入ると、まず目に入るたくさんのサイン。
野球選手が多いですが、登山家の野口健さんやスタジオジブリの鈴木敏夫さんのものまで。
確かにお店のある武蔵野市は、スタジオジブリからも近いですもんね。
スタッフのかたもよくいらっしゃるそうです。
野球選手のサインのほとんどは、亜細亜大学の卒業生なんだとか。
学生の時にお店に来ていた選手が、プロ入りする時にサインを書いていくのが恒例になっているそうです。
文雄さんも大の野球ファンで、選手権の応援にも毎年行っています。
特に驚いたのは、登山家・野口健さんとの関係です。
野口さんも亜細亜大学出身で、学生の頃からの常連さん。
エベレストの登頂に成功した時は、ベースキャンプから電話がかかってきて、出前を頼まれたそうです。
すごいエピソードですね…
学生さんや地元の方に愛され続ける丸善さん。
一番のこだわりは、「心を込めて手で作ること」なんだとか。
特製味噌やチャーシューやメンマ、餃子のタネはもちろん、餃子の皮まで手作りにこだわっています。
一度、餃子の皮を市販のものにしたこともあるそうですが、「美味しくないからすぐに辞めた。」とおっしゃっていました。
さらに、密着していて驚いたのは、お客さんとお店の心の距離感でした。
お客さんに、「久しぶり。」「待ってたよ。」と声をかける文雄さんご夫婦に、「また一年生も連れてくるんだよ。」と冗談を言う優志さん。
お客さんも、「家に帰って来たような安心感がある。」「いつもあったかく迎えてくれるお店。」と話していました。
50年以上愛されて来た一番の理由は、店主さん達ご家族の温かさにあるのかもしれません。
「孫が一人前になるまで辞めれなくなっちゃった。」と話す文雄さんでしたが、その顔はどこか嬉しそうに感じました。
優志さんは、「おじいちゃん達が50年以上続けてきたお店。自分は脚が悪いから、いつまで続けられるかわからない。それでも、脚が動かなくなるまでは続けていきたい。」そう話していました。
地元の学生達を支え、育ててきた “おやじの味”。
若大将のこれからにも期待です。
Store Information店舗情報
店舗名 | 丸善 |
---|---|
住所 | 東京都武蔵野市境5丁目17−12 Google map |
電話番号 | 0422-52-1341 |
営業時間 | 営業時間:11:00~16:00 定休日:日曜 営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 | ~¥2,000 |
決済方法 | カード不可 電子マネー不可 |
URL | |
予約 |